一般人がジャニーズに興味を持った話

 

去年の3月。


毎週のようにあった休日出勤も次第に収まり、日曜の昼間、一人暮らしの部屋に籠ってダラダラする余裕が生まれてきた頃、数年ぶりに見た日テレの「スクール革命」で山田君という一人の男の子に釘付けになった。

 

なにこの顔、こんな子だったっけ。

 

「スクール革命」自体は、番組がスタートした頃にたまに見ることがあった。なぜなら私はウッチャンナンチャンウッチャンが、チェンが、内村光良が好きだから。スクール革命はそれまでのウッチャンの仕事の経歴からすると新鮮な番組だった。そしてそこで久々に、私にとって「新しいジャニーズ」を見た。知念君、山田君である。


申し訳無いことに、同時にそこに存在したはずの八乙女君は全く記憶に残っていないのだが、知念君、山田君に強烈な何かを感じたということでもなく、知念君に対しては、あらちょっとカワイイ、知念里奈の弟だったりするんだろうかと的外れな勘ぐりを、山田君に至っては、もさもさした髪のバタ臭い顔の子だなーと感じた程度である。

 

ただその時「フーン、最近のジャニーズは可愛い系っていうか、なんか普通だな」と微妙な違和感というか、ひっかかりを感じたことはよく覚えている。恐らくそれは私の中の最新のジャニーズがKAT-TUNだったことが単純な理由である気がするけれど、私自身が中高生時代、どの家庭でも当然のように視聴されていた「SMAP×SMAP」「学校へ行こう!」「うたばん」などでその姿を見ていたジャニーズとは趣が違うように感じられた。

 

とはいえ私にとって「ジャニーズ」は「芸能人」であり、その他大勢の一括り以外の何者でも無かった。スクール革命を見る目的はあくまでもウッチャンで、あとはその他大勢でしかなかった。「見えていなかった」のである。

 

それなのに、もっさりしていた髪は今風にセットされたツヤ髪に変わり、少女漫画に登場するような美しい顔と、何か星屑のようなキラキラとしたものを携えたアイドル山田君によって、私はジャニーズを「見て」しまった。

 

その山田君が番組の「春の修学旅行」企画で高所恐怖症故に半泣きで富士急ハイランドの高飛車に乗り、颯爽と大空に飛び立していった知念君とは対照的に、震えながらパラグライダーで富士山麓を舞うという回を見た数日後、私は人生の半分以上をジャニヲタとして生きている友人に連絡を取る。『アイドル誌のおすすめって何?』と。

 

それからこの一年の間に様々な葛藤と紆余曲折と自学習&現地学習を経て、私は趣味のカテゴリーに「ジャニーズ」を新設し、ほぼ定着させた。ジャニヲタと自称するにはまだ経験値が足りないけれど、ジャニーズを知らなかった私とは別の私である。男性アイドルという文化を様々な角度から体験することで、新しい愉しみを覚えてしまった。

 

輪に入れず周囲をウロウロしている、そんな微妙な位置にいる一ファンの覚書。

 

あ、因みに山田君のファンにはなっていません